【人事が回答】就職氷河期採用の昇進の現実と3つの壁
前回の記事では、国家公務員の就職氷河期採用が再開される見通しについて解説しました。
その際、読者の方々から最も多くいただく疑問が、「この採用で入ると、キャリアプランはどうなりますか?」「プロパー職員と同じように昇進できるのでしょうか?」というキャリアに関するご質問です。
【このブログを読むとわかること】
- 就職氷河期採用の職員がスタートする職位は?
- 管理職への昇任が現実的に難しい3つの理由。
- 昇進の可能性よりも優先すべき公務員のメリットとは?
人事課で採用や昇任に関わってきた経験から、この疑問に正直に**答えていきます**。ぜひ最後までご覧ください。
【元面接官が解説】就職氷河期採用のリアル。管理職への道は開かれているか?
スタートは「定型的な事務職」。職位はどこから始まるか?
まず結論から言いますと、就職氷河期採用の職員が、管理監督職(課長補佐以上)に昇任する可能性は、極めて低いと言わざるを得ません。
この採用枠は、高い専門性を持つキャリア職員の育成ではなく、社会人経験を持つ方を対象に、安定した労働力の確保と生活基盤の支援を主な目的としているためです。
採用された職員の職務内容は、一般的に窓口業務、データ入力、庶務・会計といった定型的な事務が多くなります。給与のベースとなる給与表の「級」も、職務内容に応じたスタートラインとなります。
管理職昇任が難しい「3つの現実的な理由」
昇進が難しいのは、能力ややる気の問題だけではありません。公務員の人事制度の構造的な問題があるためです。
理由1:年齢による時間的な制約
管理職への昇任には、組織内で最低15年〜20年といった一定の経験年数と、昇任候補者としての研修や評価の積み重ねが必要になります。就職氷河期世代は、採用された時点で年齢が高いため、昇任に必要な経験年数を積む前に、役職定年(60歳)の年齢が近づいてしまいます。
物理的に昇任の選考を受ける機会が、プロパー職員よりも圧倒的に少ないというのが現実です。
この点については、人事院勧告にて在級期間表の廃止も出されているので変わっていく傾向にはあります。ただし、急激に上位職につけるかというと長年の組織構造からするとそう簡単ではないと思われます。
理由2:競争相手は「将来の幹部候補」
昇任試験や選考がある自治体においては、新卒から入庁し、長年にわたって幹部候補として期待されてきたプロパー職員も受験します。彼らはすでに複数の部署を経験し、人事評価も高く積み上げているため、競争に勝って昇任の椅子を獲得することは非常に困難です。
試験や選考がない自治体では、人事評価がメインになったり職場内での経験を加味した「人事異動」として扱われるので、こちらも土俵に上がるのは難しいとも言えます。
理由3:採用の目的が「幹部育成」ではない
この採用制度の根幹は、「失われた世代の支援」と「定型業務の人手不足解消」です。公務組織がこの職員に求めているのは、管理職としてのマネジメント能力よりも、安定した環境で真面目に職務を遂行する力なのです。
「管理職になれない」からこそ手に入る公務員のメリット
昇進の道が険しいことは事実ですが、この採用枠で公務員になることは、キャリアの最終章において非常に大きなメリットをもたらします。
職位よりも優先すべき安定した身分
管理職を目指すことは、重い責任や長時間労働、そして激しい競争を意味します。しかし、昇進を強く意識しない働き方であれば、昇進のプレッシャーから解放されます。
公務員としての安定した身分(終身雇用)と、健全なワークライフバランスを手に入れることが可能となります。
確実な退職手当と充実した福利厚生
公務員の最大のメリットは、給与が高くなくても、安定した退職手当制度と充実した年金・医療保障が約束される点です。就職氷河期を経て不安定な雇用だった期間を補い、老後の生活設計を確実に立てられるという安心感は、何物にも代えがたい価値があると思います。
✅ まとめ
この記事では、就職氷河期採用の昇進・職位に関する現実について解説しました。
管理職への昇任は非常に難しいものの、安定した身分、確実な退職手当、そして健全な労働環境という、この世代が最も必要とする価値を提供してくれるのが、この採用制度の最大の魅力だと思います。
キャリアのゴールを「管理職」ではなく「安定した生活」に設定されている方にとって、この採用は最高の選択肢であると断言できます。
最後までお読みいただきありがとうございました!
それでは、またね~。
【2026年再開決定】国家公務員「就職氷河期採用」の全て!受験要件と試験対策を元面接官が解説
「新たな就職氷河期世代等支援プログラム」において、2024年度で終了していた国家公務員の”就職氷河期採用”が来年度から再開されることが発表されました。
本記事では、この”就職氷河期採用”について、概要を分かりやすく解説します。
【このブログを読むとわかること】
- そもそも”就職氷河期”とは?
- 再開される就職氷河期世代の中途採用の受験要件は?
- どのような試験科目が課される?
- 地方自治体でも実施される?
それでは、ぜひ最後までお付き合いください。
就職氷河期とは?
そもそも"就職氷河期世代"とは⁉
就職が冷え込んだ時代というと、「私もそうだった」「就職活動には苦労した」と感じていらっしゃる方も多いと思います。
人事にいると、問い合わせでも意外と「私も就職氷河期世代だと思うのですが対象になりませんか?」といったようなご質問もありました。ここで、そもそも”就職氷河期世代”とはどの世代を指すのかを一度整理します。
就職氷河期世代とは、「バブル経済が崩壊した後の景気後退期に、新規学卒者の採用が極端に厳しくなった時代」を指します。 ”ロストジェネレーション”ともいわれる、キャリアや生活に大きな影響を受けた世代と言えます。
具体的には、1993年から2005年にかけて就職活動を行った世代ということになるようです。高卒も大卒も含めてになりますので、だいたい昭和45年から昭和62年くらいまでの期間に生まれた方々がこの”就職氷河期世代”に該当するようです。
なぜ"就職氷河期世代"を採用する?
こういった世代は就職が難しく、正社員としてのキャリアを積むことができなかった方が多くいます。また、当時は終身雇用の時代でしたので、新卒時に就職が上手くいかないとますます就職すること自体が難しくなるという状況がありました。
そういった世代を支援するというのが大きな目的として挙げられることが多いですが、背景には現在の深刻な人手不足があります。
公務職場を含めて、現在の日本は深刻な人手不足に陥っています。就職氷河期世代は、その時代背景から安定的な雇用を求める傾向にあるということ、またさまざまな職業経験を通して、一般的な社会人としての素養や特定の専門スキルというよりも幅広い分野で通用する事務スキルを有しているという観点から就職氷河期採用が注目されています。
受験要件はどうなる?
前回の受験要件から見る予想
では、そんな就職氷河期世代採用の受験要件はどうなるのでしょうか?
現時点では再開される就職氷河期世代の受験案内は公表されていません。そのため、具体的な要件等はわかりません。
過去は3月末頃に実施予定の公表、7月上旬頃に試験案内の公表(←ここで要件がはっきりします)という流れでした。
【前回(2024年度)の受験要件】
- ・昭和41年4月2日から昭和61年4月1日に生まれた者
- ・職務区分: 事務区分及び技術区分・刑務官区分・入国警備官区分
- ・採用予定人数:174人
対象となる世代が”就職氷河期世代”ですので、この年齢要件は2022年度の採用試験から変わっていません。おそらく来年も年齢要件は一緒になると思われます。採用予定数もある程度は維持されるのではないでしょうか。
ただ、倍率はだいぶ高いです。
前回の試験では、申込者が3,909人で合格者は151人でした。約26倍の倍率です。
要件が幅広く、多くの方が受験できるというところを差し引いても、狭き門であるということはお分かりいただけるかと存じます。
どのような採用試験が行われる?
1次試験は高卒程度の教養試験と作文
前回の採用試験では、1次試験で教養試験+作文が課されていました。
この教養試験は高卒程度の問題が出題されていたようなので、試験対策としては高卒程度の問題集を解くということが必要になるでしょう。
高卒程度となると意外と幅広い知識が求められますので、侮らずにしっかりとご準備することが必要です。
また、作文試験についても内容よりも文章構築能力等が求められます。しっかりと”伝わる”かつ”わかりやすい”文章を書けるように準備する必要があります。
2次試験は官庁ごとの個人面接
1次試験に合格した人は個人面接に進みます。個人面接は採用予定機関(=官庁)ごとに行われます。
おそらくそこまで神経質になる必要はないと思いますが、きちっと最低限の面接対策はしておくべきでしょう。
今までのご経験等を踏まえたうえで、自分がなぜこのタイミングで公務員を希望するのかを、自分の言葉で伝えていく必要があります。いくら”就職氷河期世代を支援する”という目的での実施とはいえ、「安定して働けるから」だけでは他の受験者に勝てる理由にはなりません。自分の言葉で「なぜ公務員に転職するのか」「自分はどういったことができるのか」をしっかりと伝えていく必要がございます。
各自治体での実施予定は?
実施予定は未定!でも可能性は高い!
各自治体の採用試験の予定はまだ公表されていません。大体年度末から年度初めにかけて採用計画を公表するところが多いので、そのくらいの時期に各自治体のホームページを確認しておくといいと思います。
国家公務員が募集を停止したわけですが、継続して実施している自治体もあります。
また、人手不足は地方自治体も同様でございますので、国が実施する施策については地方自治体も追随する可能性は高いと思います。
強制力はないものの、国は地方自治体に対して実施することを要請すると思われます。
そのため、就職を希望する自治体がある場合には、その自治体の採用計画を確認しておきましょう。
ここ数年はどの自治体も経験者採用の年齢要件を撤廃したり、引き上げたりする傾向が顕著です。”就職氷河期採用”と銘打ってなくても受験できる可能性はありますので、その観点でも注視してすると良いと思います。
✅ まとめ
この記事では、来年から再開される”就職氷河期採用”について詳しく解説しました。
「過去と受験要件は変わらずに、高卒程度の教養試験で定型的な事務をする仕事に採用される」という形になると思います。詳細の情報はまだ公表されてないので、常に情報をチェックしておくと良いでしょう。
また、国が再開することに伴い、多くの地方自治体でも同様の動きになっていくことが見込まれるという点も覚えておいて損はないかと思います。
今後は、就職氷河期採用で採用された場合の処遇などについても少し触れる記事を書いてみようと思ってます。
その際はぜひ、お読みいただけますと嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
それでは、またね~
【公務員ボーナス徹底解説】30代で81万円は本当?期末・勤勉手当の計算式を人事課が公開
暦の上では立冬も過ぎ、今年も残すところあと2か月を切っています。
慌ただしい日々が待っている人、もうすでに目まぐるしい毎日を送ってるよという方もいると思います。
そんな今日は賞与(ボーナス)についての解説記事です。
頑張ってきた1年の最後にもらえる大きなお金。そんな賞与の計算方法をご紹介します。
【このブログを読むとわかること】
- 公務員の賞与(ボーナス)の支給日と対象期間
- 期末手当と勤勉手当の違い
- 自分の給与からボーナスがいくらになるか概算できる計算方法
- 扶養手当や職位加算がボーナスに与える影響
それでは、ぜひ最後までお付き合いください。
賞与はいつ、どのくらいもらえる?
支給は年2回
公務員の賞与は年2回支払われます。これはおそらくどの自治体も条例、規則に規定があります。
6月と12月ですね。
国家公務員と支給日を合わせている自治体であれば、6月30日と12月10日が支給日になります。
ちなみに、この支給日が土日に当たる場合は直近の平日に支給されることになります。
賞与の支給対象者と算定期間は?
少し具体的な話になりますが、賞与の支給対象者はそれぞれ6月1日と12月1日に在職している職員となります。
この日付を基準日といって、この日に在職していれば支給日までに退職したとしても支給を受けられることになります。
(厳密には前月退職でも支給されるんですが、そこは別途解説しますね。)
この基準日以前6か月の期間でどれだけ働いたか、どれだけ実績を上げたかに応じて金額が決まってくるわけですね。
”基準日以前6か月”なので、具体的に言うと次の期間です。
・6月期:前年12月2日から6月1日まで
・12月期:6月2日から12月1日まで
期末手当・勤勉手当合わせて4.6月分!さらなる増額も予定!
いわゆる賞与といっても実は内訳があります。
期末手当と勤勉手当と言われる2つの手当を同時に支給していて、これがいわゆる賞与(ボーナス)です。
・期末手当:生活補給金的な性格を持ち、働いていればもらえるもの
・勤勉手当:成績報酬に近い性質を持ち、全期間働いたとしても実績がなければ減額対象
ざっくりこんな感じになっています。そのため、今後触れますが、様々な休暇や休業による除算期間についても勤勉手当の方が多く除算されることになります。
現在の支給月数についても触れておきましょう。簡単に表にまとめます。
| 手当の名称 | 支給月数(1回あたり) | 人勧後 |
|---|---|---|
| 期末手当 | 1.25月分 | 1.275月分 |
| 勤勉手当 | 1.05月分 | 1.0725月分 |
| 合計 | 2.3月分 | 2.35月分 |
この人勧後というのは、あくまで予定です。
人勧については、次の記事で触れていますのでもしご興味があれば読んでみてください。
12月の賞与はいくらくらいもらえるの?
基本は「給料月額」×「支給月数」
細かいことは置いといて、結局いくらもらえるの?
という方もいると思います。そんな方に向けてざっくりというと「給料月額×支給月数」をもらえると思っていただけるといいと思います。
例えば給料月額が30万円の人であれば
30万円×2.3月分=69万円(期末勤勉手当合わせて)
といった具合ですね。これが一回の支給額ですので、年間では約140万円ということになります。
これを少ないと捉えるか多いと捉えるかは、比較する業界や会社にもよるでしょう。
個人的には毎年2回安定して支給されるというところを踏まえると満足できる数字かなとは思っています。
(爆発的に増えることがないというのは、デメリットでもあると思いますが…)
実は扶養手当とか職位加算というのも含まれる
上に書いた内容はざっくりとした計算例です。
実は先ほど書いた「給料月額」の部分は厳密にいうとそれぞれ”期末手当基礎額”と”勤勉手当基礎額”と言われるものがあり、給料月額以外にも含まれるものがあります。
それぞれ次のようになっています。
・期末手当基礎額=給料月額+地域手当+扶養手当+職位加算額
・勤勉手当基礎額=給料月額+地域手当+職位加算額
(参考)職位加算額の計算式:(給料月額+地域手当)×職位加算割合
※職位加算割合は5~20%で該当する職位によって定められてます。
ちなみに、期末手当に扶養手当が含まれるのは「生活補給金的な性質」があるからですね。
実際に計算してみた
30代前半の男性であれば約81万円!
では、実際にいくらもらえるのか計算式に当てはめてみましょう。
(前提)給料月額30万円、地域手当は10%の地域で職位加算率が5%。2歳の子を扶養と仮定
期末手当基礎額:給料月額(30万円)+地域手当(3万円)+扶養手当(1万円)+職位加算額(16,500円)=356,500円
勤勉手当基礎額:給料月額(30万円)+地域手当(3万円)職位加算額(16,500円)=346,500円
※職位加算額:(給料月額(30万円)+地域手当(3万円))×5%=16,500円
期末手当の支給額 356,500円×1.25月=445,625円
勤勉手当の支給額 346,500円×1.05月=363,825円
合計賞与支給額 809,450円
いかがでしょうか?
これは額面の数字ですので、ここから控除がありますがそれなりに満足できる数字なのではないでしょうか?
これに加えて人事評価結果が良ければ勤勉手当が0.25月分上乗せされたりもありますので、頑張ろう!って思えますよね♪
✅ まとめ
地方都市に勤務する30代前半の地方公務員で約81万円ももらえる!
賃上げ傾向に伴い、支給月数も増加傾向にある!
簡単にですが、公務員の賞与について書いてみました。ボーナスといっても実は内訳は2つの手当に分かれていて、単純に月数だけで支給されてるわけじゃないんだなということが少しお分かりいただけたかと思います。
実は、育児休業の期間や休職など様々な除算対象もあったりするので、そのあたりも今後触れていこうと思います。
その際はぜひ、お読みいただけますと嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
それでは、またね~
【人事経験者が伝授】公務員の賞与除算で「ボーナスが減らない」育休・退職の裏ワザ
公務員の賞与の計算って結構複雑ですよね。
そこで今回は「除算」にテーマを絞って解説していこうと思います。実際に業務を経験した職員の視点で書いていきますのできっと参考になると思います。
ぜひ最後までお読みください!
【このブログを読むとわかること】
- 賞与の除算に関する基本的な仕組み
- 損をしない育休の取得方法
- 病気で休みが必要になった時の賞与の見込額
- 賞与から見るおすすめの退職方法
それでは、ぜひ最後までお付き合いください。
そもそも賞与の「除算」とは?基本の仕組み
「期間率」を決定するための在職期間の判定
以前の記事でも触れましたが、賞与には「算定期間」というものがあります。詳しくは該当記事をご覧いただきたいのですが、この算定期間内にどれだけ働いていたかによって「期間率」というのが決定されます。
先日の記事の最後に示した計算式はこれが100%として計算していましたが、休んでいる期間があるという場合には、ここが60%になったり、30%になったりするわけです。
では、主なお休みについての除算を以下ざっと見ていきましょう。
「期間率」が変わる!採用・退職のパターンと在職期間の計算
① 採用・退職が算定期間の途中である場合
まずはそもそも職員としての期間が6か月に満たない場合です。
採用の場合は、算定期間の起算日が後ろになると思ってください。例えば6月期の賞与で4月1日採用の場合。
12/2〜3/31は当然勤務がなかったので、4/1〜6/1の2月と1日が在職期間として取り扱われます。
続いて退職の場合です。
基準日に在職していない人は通常支給対象にはなりません。でもそれじゃかわいそうな人もいるよねということで、例外として基準日前1月の範囲内に退職日がある人は支給対象とされています。
この場合は退職日後から基準日までの期間を除算します。例えば5月31日で退職をした場合、算定期間6か月から6月1日の1日分だけを除算することになります。
そのため、在職期間としては5月と29日として計算されるわけです。
② 知らないと損!賞与の計算における「1ヶ月=30日」ルールと「応答日」の考え方
ここで一つルールです。
賞与においては**1ヶ月は30日として計算されます**。そのため1日を在職期間から差し引く場合には29日が残るということになります。
12月2日から31日まで…30日
1月、2月、3月、4月、5月…5か月
だから足して6月じゃん!とはならないわけですね。
厳密にいうと応答日という考え方になりますので、
12/2〜1/1
1/2〜2/1
2/2〜3/1
3/2〜4/1
4/2〜5/1
と考えていき、残った1月未満をカウントします。
この場合は5/2〜5/31で30日ありますね。
5月と30日から1日(6/1分)を引いても5月と29日が在職期間となるわけです。
残念ながら4/30で退職してしまうと1ヶ月以上前の退職となりますので、支給対象外になります。
次の仕事との兼ね合いもありますが、これを知っているのと知らないのだと大きな違いですよね。支給が0になるか、除算されたとしても賞与が振り込まれるかですので。
【賞与除算テクニック】損をしない育児休業の取り方
① 大前提:育休期間の期末手当は半分勤務したものとみなされる
続いて算定期間内に育児休業を取得した場合です。大前提として育児休業の期間は在職期間から除算されます。ただし、期末手当については取得期間の半分は勤務したものとみなされます。
② 期末・勤勉手当も除算されない!「1箇月以内」の特例とパパ育休のチャンス
これが大前提です。
そしてここからが知ってると知らないのでは大違いの知識です。
取得期間が1箇月以内であれば期末手当も勤勉手当も除算されません。
この「1箇月以内」の算定は、男性であれば2回チャンスがあります。どういうことかというと、産後パパ育休と通常の育休は別々に見ますよってことなんですよ。
ちなみに、この1箇月の考え方は前述した「応答日」の考え方が採用されますので、ここも覚えておきましょう。
③ 賞与を満額近くもらうための育休取得の「具体的なテクニック」
もう少し細かく例を出してお伝えします。
出生日が2/25だとしましょう。
1回目の育休が3/1〜3/31
2回目の育休が6/1〜6/30
であれば、除算はされません。
1回目の育休が産後休暇期間内に収まっていて、1箇月以内。
2回目の育休が産後休暇期間外にあって、1箇月以内。
サラッと言いましたが1回目が**「産後休暇期間内に」**ここがポイントです。仮に期間を跨いでしまうと、その育休が1箇月以内かだけが判定基準となってしまいます。
仮に引き続いて取りたい場合で除算を避けたい場合には、**産後休暇の終了日に育休を書面上終わらせる。その翌日に2回目の育休を開始させる。**というテクニックが必要になります。
育児はどうしてもお金がかかりますし、育休は無給になりますから、ここを知ってると知らないとでは大きな違いですよね。
病気で休む場合:私傷病による休暇・休職の除算ルール
① 私傷病による休暇(病気休暇・療養休暇)
続いて私傷病による休暇です。療養休暇や病気休暇と言われるものですね。
多くの自治体では90日間まで取得することができる休暇ですが、取得日数によって賞与の除算対象になりますので、以下見ていきたいと思います。
基本的なルールとしては「30日を超えて取得したらその全期間を勤勉手当の在職期間から除算する。」というものになります。期末手当からは除算されませんし、30日以内であれば除算の対象となりません。
そのため、例えばインフルエンザで5日間休みましたっていうのは、賞与の計算上は何ら休暇取得なしということになります。
では、ここからがもう少し細かいルールになります。
30日を超えて取得した場合の日数の考え方です。
基本的には"休んだ日"が除算の対象ですので、その日数をカウントしていきますが**連続して1月以上取得した場合は土日祝日もカウントする**ことになります。
たとえば10月中に病気休暇を取得するとした場合の例です。
10/1〜10/20の取得であれば、その期間内の勤務日(≒平日)をカウントします。
一方で10/1〜11/3の取得となると、10月は1箇月とカウントされ、11/1〜11/3のうちの平日をカウントして取得日数を算出します。
1月未満の日数は、算定期間内の日数を合計して30日になったら1月に繰り上がります。そのため連続して1箇月休むと、飛び飛びで休んでいる人よりも多く除算されてしまうことになります。
これは育休と異なり、申請を分けたとしても同じですので注意が必要です。結果として1日なり、間に勤務があるかどうかというのがポイントになります。
基本的には診断書ベースでのお休みですので、小細工は難しいかもしれませんが覚えておくといいでしょう。
② 私傷病による休職
では、最後に私傷病による休職についてです。
病気休暇(90日)をすべて使い果たした場合は、その翌日から休職発令がなされます。
この場合はそもそもの給与額が80%や無給になったりするので、無給の場合は期末勤勉手当は支給されないということになります。
(いわゆる有給休職と無給休職のあたりは、今後服務関係の記事を出す際に解説しますので、今回は割愛します。)
80%の休職(有給休職)の場合は、期末手当は支給対象となる一方で勤勉手当は支給されません。さらに期末手当については、休んだ期間が除算されます。
除算されるのは休んだ期間の1/2です。育児休業とかと同様ですね。
単純に考えれば2月休んだとしたら、1月は除算(1月は勤務したと同じ扱い)となります。
基準日時点で休職していない場合は、支給対象となります。この場合は、期末手当は1/2除算、勤勉手当はその全てが除算となります。
詳細の計算方法は割愛します。
簡単にまとめると
・基準日に休職であれば勤勉手当は支給されない。
・基準日に無給休職の場合は期末手当も支給されない。
・有給休職の場合はその期間内の休職日数の半分が、期末手当の在職期間から除算される。
・基準日に復帰している場合は、算定期間内の休職日数が除算される。(この場合も期末手当からは半分が除算となる。)
こんな感じですね。
他にもある除算対象と【ボーナス手取りアップの裏技】
① 除算されてしまう主な休暇・休業リスト
途中での採用と退職、育休、病気に伴う休みと除算対象を見てきましたが、他にも色々とあります。
全てを細かくしてしまうと長過ぎて読む側も疲れてしまいますので、列記だけさせていただきます。
停職、組合専従休職、自己啓発休業、配偶者動行休業、育児短時間勤務、修学部分休業、高齢者部分休業、介護休暇、介護時間
これらの休暇や休業などによって勤務をしなかった場合には、条件に当てはまれば除算の対象となり満額の支給を受けられないということになります。
上述してきた育休のように詳細の計算方法等につきましては、また機会があれば記事にしていこうと思います。
その際にはこちらの記事にもリンクを掲載しますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
② 【賢く手取りを増やす】育休中の社会保険料免除の裏技
賞与にはそれなりに大きな額の保険料が課されます。
実は月末時点で育休をしていて、免除申請をすれば全額免除されるんです。なので、額面がそのまま手取りに!ということになります。
取得期間の要件もありますし、育休となると手当金は出ますが給料は不支給になりますので、そことのバランスはありますが、おそらくこの辺りも組み合わせるとむしろプラスに?となることもあります。
ぜひ、この辺りも事前情報として持っておくと良いかもしれませんね。
✅ まとめ
賞与の除算ルールを知ることで、同じ休みを取るにしても**損をしない取り方**がある!
特に増えてきている男性の育児休業はテクニック次第で大きく差が出るかも⁉︎
休暇は必要な時に必要な期間取るというのが大前提です。でも、同じ効果が得られるのであれば上手く年休とかを組み合わせて、もらえるものをしっかりもらうという観点も大事だと思います。
ぜひ、参考にして上手い休み方を実現してみてください。
それでは、またね〜。
【公務員が知らないと損】人事経験者が教える年次休暇・病気休暇を賢く使うための制度の深掘り
公務員として働く中で、「休むこと」はとても大切です。
以前の私はどちらかというと仕事が中心の生活。ただ30代が近付いて、結婚など色々と私生活に変化が生じてくる中で「私生活を中心に据える」考え方をするようになりました。
私生活があるからこそ、仕事も楽しめるという発想になってから「休み方>働き方」という考え方にシフトチェンジしました。
私もそうでしたが、特に年末年始など長期休暇ではそういったことをゆっくりと考える時間があります。
もしかしたら、自分の有給(年休)がどれくらい残っているのか、もし体調を崩したらどうなるのか、不安に思う人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、「休暇制度」に焦点を当てて解説していきます。実際に業務を経験した職員の視点で書いていきますので、「賢く休む」そして「楽しく働く」ためのヒントになると思います。
ぜひ最後までお読みください!
【このブログを読むとわかること】
- 年次休暇が「いつ、何日」付与されるかの仕組み
- 年休の時効と繰り越しで損をしない方法
- 病気休暇・休職制度の基本的な流れと給与・賞与への影響
- 公務員としての「健康第一」な働き方のヒント
それでは、早速本題に入っていきましょう。
公務員に与えられた休暇の基本:その根拠はどこにある?
休暇は「もらうもの」ではなく、法律で認められた「権利」
民間企業では「有給」や「特別休暇」という名で呼ばれますが、公務員の休暇は地方公務員法などの法律や、各自治体の条例によって細かく定められています。
これは、職員が心身の健康を維持し、全力で職務に専念できるようにするために、職員側の権利として保障されているものです。
「休ませてください」とお願いするものではなく、「休む権利を行使します」というスタンスでいて大丈夫だというのが、人事課を経験した私からのメッセージです。
もちろんその分、不在の際の電話・来客対応等を周りの職員が代わってやってくれるわけでもありますので横柄な態度でいいというわけではありませんよ!ただ、自分の中のマインドとして休むことを申し訳なく思う必要はないというメッセージです。
そう思えるように普段から業務に対しては真摯に全力で取り組む必要があります。
知らないと消える⁉年次有給休暇(年休)の賢い使い方
① 年休はいつ付与?パートタイム職員の計算も確認しよう
年次有給休暇は通常、年に1回付与されます。一年に最大で20日が付与されるのが基本です。
また、パートタイムや再任用などの短時間勤務の職員についても、その勤務日数や時間に応じた日数が与えられます。フルタイム職員と付与の考え方が少し違うので、自分の勤務形態に合わせて確認が必要です。
短時間勤務の場合の基本的な計算方法は「20日×自分の勤務時間/正職員の勤務時間」という風になります。
例えば週3日勤務であれば「20日×3/5」ですし、週30時間勤務であれば「20日×30/38.75」となります。
この辺りは自治体によっても考え方が異なる場合がありますので、正確に知りたい場合には各自治体の内規等をご確認ください。
② 賢く繰り越そう!「時効は2年」のルールを忘れるな
年休には「時効」があります。
付与された年休は、翌年に20日(正確には、前年に付与された日数)を上限として繰り越すことができます。しかし、その翌年になると権利が消滅してしまいます。つまり、年休は「2回目の付与日を超えることはできない」という認識を持っておくと良いでしょう。
例えば付与日が4月1日で20日間付与されるケースでいえば、
2025年4月1日:20日間付与(A)で年間10日分使用
2026年4月1日:20日間付与(B)+10日(Aの繰り越し分)で2026年度中に5日間使用
2027年4月1日:20日間付与(C)+20日(B)
※(A)の残りである5日分は2027年4月1日をもって消滅
年休は付与日が古いものから順に消化されていきます。毎年残日数を意識して、消滅する前に計画的に使うことが、家族との時間を楽しんだり、自己啓発をしたり、そして健康維持のためにも大切ですし、いわゆる「賢い使い方」になります。
③ 年休取得は原則自由!人事課が教える「時季変更権」の境界線
職員は、原則として理由を問わず、自分の好きな時に年休を取得できます。
上司(使用者)が「この日は休まれると困る」と断れるのは、「公務の正常な運営を妨げる場合」に限られます。
この上司(使用者)から年休取得を断る権利を「時季変更権」と言いますが、これは「人手が足りないからダメ」という単純な理由では認められません。代替職員を配置するなどの努力を尽くしても、本当に業務が回らない場合にのみ行使できると解釈されています。これは私たち職員を労働者として守るための大切な規定なので、覚えておきましょう。
③ 年間5日は取得させる義務がある?
年間5日以上の年休付与がされている職員には、年間5日の年休を取得させる義務が使用者側には存在します。
年休が取れなかったということを防ぐために年休計画書を作成する義務もありますが、あくまでも職員が希望するところで取得することができる権利ですので、事前に職員の希望がある場合や、計画書を作成するまでもない場合には計画書を作成することは求められません。
おそらく多くの職場では、年休計画書を作成されていないと思いますので、職場で管理しているスケジュールに早めに休暇の予定を入れてしまいましょう!
私の場合は、このあたり忙しくなりそうだからその前に休んどくか!って感じで早い段階で休暇の予定を組み込んでいます。
その方がそこに向けて仕事の集中力も高まりますし、プライベートの予定も立てやすいです。
職員の最後の砦!病気休暇・休職制度の流れと注意点
① 病気休暇(療養休暇):最大90日は給与満額支給!
私傷病による休暇は、ほとんどの自治体で最大90日間、給与が満額支給されます。これが病気休暇(療養休暇)と呼ばれる制度です。インフルエンザなど数日の休みから、メンタルヘルスによる長期療養まで、この制度が適用されます。
この90日間というカウントも同一傷病につき、という限定がありますので、例えばインフルエンザとメンタルヘルスによる休暇は別々にカウントされます。
しかし、前回の記事でも解説したように、30日を超えて取得すると勤勉手当(ボーナスの一部)から除算されるルールがあるので、注意が必要です。(詳しくは前回記事:賞与除算で「ボーナスが減らない」育休・退職の裏ワザを参照ください。)
あくまでセーフティーネット的な制度ですので、私生活を充実させるためにもこの制度は使わないに越したことがないですね。ただ、事由に当てはまるときはしっかりと活用していきましょう。
② 90日を超えたら休職へ:給与減額と退職手当への影響
病気休暇90日を使い果たしても復帰できない場合、翌日から病気休職に移行します。
この休職期間は、給与が徐々に減額されていきます(例:1年間は80%、それ以降は無給など)。また、退職手当の算定からも一部除算されるため、経済的な影響は非常に大きいです。
この手続きは、職員の身分を保持しつつも、職務に専念する義務を免除し、治療に専念してもらうためのものです。休職に至る前に、職場の支援体制(産業医面談など)を利用し、早期の対応を取ることが不可欠です。
③ 休みの時の給与はどうなる?傷病手当金制度を少しご紹介
病気休暇の制度では、基本的には給与が満額支給されます。生活をしていくだけの支給がなされることとなります。
一方で、休職発令がなされると給与の支給が80%になったり、長期間になると無給になったりしてしまいます。療養中は医療費も含めて出費がかさむもの。しかし、給与が減額されるとなると生活にも支障がでてきますよね。
そこで社会保険の出番です。しっかりと手続きを取ることで傷病手当金を受給することができます。公務員の皆さんは、共済組合が保険者だと思いますので「●●県市町村職員共済組合」に請求することで最長1年6月の間、標準報酬月額の約67%に該当する傷病手当金がもらえます。
実際の支給額等につきましては、減額前給与と減額後給与の差額や、療養の状況等によっても異なりますのでしっかりとご確認ください。
✅ まとめ:「仕事のために仕事をしない」働き方へ
公務員の休暇は法律で守られた「権利」。消滅する前に年休を使い切ることが賢い働き方です。
病気休暇・休職は最後のセーフティネット。「健康第一」で、自分や家族の幸せのために、計画的に休みを取得しよう。
仕事に全力で頑張るのは大事です。でも何のために働くかということを常に頭に入れて働くことが大切です。
ぜひ、この記事を参考に、あなた自身の「上手い休み方」を実現してください。
それでは、またね〜。
もう焦らない!2月中旬から始める『心のゆとり』を作る年度末のタスク整理術
こんにちは。
2月中旬に入り、役所の廊下を歩く人の歩調が少しずつ速くなってきたように感じます。議会の準備や事業の最終執行、そして「今年は異動があるかも……」というソワソワ感。頭の中がタスクと不安でいっぱいになっていませんか?
「あれも終わっていない、これもやらなきゃ……」と焦る時期ですが、実はこの2月中旬の過ごし方ひとつで、3月の忙しさと4月のスタートダッシュが劇的に変わります。今回は、私が約10年間の公務員経験を経てたどり着いた、「年度内にやり残しを作らないための思考整理術」をたっぷりとお伝えします。
この記事を読むとわかること
- 2月中旬から始める、脳内タスクの可視化術
- 公務員特有の「年度またぎ業務」の優先順位付け
- 3月の魔物に打ち勝つ「スケジュール余白」の作り方
- 精神的ゆとりを生む「完璧主義からの脱却」のヒント
1. 「脳内メモリ」を解放するための棚卸し
忙しいとき、私たちの脳は「あれもやらなきゃ」「これも忘れないようにしなきゃ」と、常にタスクを保持し続けるために膨大なエネルギーを消費しています。これが疲労の正体です。
まずは、脳内にあるすべての「気になること」を外に出しましょう。A4の裏紙でも、付箋でも、PCのメモ帳でも構いません。仕事の大小にかかわらず、すべて書き出してみてください。
意外と手書きって整理できるので、私はよくノート見開きで使って整理します。
4つのカテゴリーで「役割」を分ける
書き出したタスクを、客観的に以下の4つに分類します。公務員組織においては「期限」と「影響範囲」が基準になります。
- ① 年度内に完了必須:予算執行の決裁、補助金の確定検査、法定期限のある報告書。これらは「絶対」です。
- ② 新年度でもいいもの:次年度の事業計画の細部、急ぎではない要綱の整理、マニュアル作成。
- ③ やった方が良いけどやらなくてもいいもの:過去資料のデータ化、デスクの徹底的な整理、細かな様式の改善。
- ④ やらなくていいもの:形骸化している報告、二重管理になっているチェックリスト。
仕分けができたら、その中でも優先順位をつけていきます。できれば、それぞれのタスクの所要時間も見当をつけておきましょう。
そして①の1位から最下位まで、②の1位から最下位までというようにやっていきます。
やるべきなのは②までなので、③と④は基本的に放置です。
2. 3月の「不測の事態」を想定した余白の設計
3月のカレンダーを眺めてみてください。予定がぎっしり詰まっていませんか?公務員の3月は、議会の追加質問、急な住民対応、さらには組織改正に伴う物品移動など、予想外の仕事が次々と舞い込んできます。
スケジュールに「バッファ」を持つ勇気
あえて「予定を入れない時間」を1日のうちに1〜2時間確保しておきましょう。もし何も起きなければ、それは「ボーナスタイム」です。
その余白を使ってやるのが③です。事前に③にも優先順位をつけておけば、時間が空いた時にそのリストからその時間でできることを引っ張り出してこなしていけば良いんです。
「何をやるかを考える時間」が1番無駄ですし、年度末の慌ただしい中でやるのは疲れます。
そして個人的におすすめなのは「引継ぎ資料の骨子作り」です。異動の内示が出てから慌てて作ると、漏れが生じたり、深夜まで残業することになります。今、余白の時間を使って「この業務のポイントは3点だけ」とメモしておくだけで、3月末の自分が泣いて喜ぶはずです。
3. 完璧主義という「呪い」を解く
私たちは、住民の税金を預かる身として「間違いは許されない」という強い責任感を持っています。それは素晴らしいことですが、年度末の繁忙期にすべてのタスクで100点を目指すと、必ずどこかで綻びが出ます。
30点の段階で「巻き込み」を開始する
ひとりで資料を固めてから上司に持っていくのではなく、まだ「考えの種」ができた段階で相談してしまいましょう。公務員の世界では「後出しジャンケン」ほどお互いに不幸なことはありません。
巻き込みの魔法の言葉:
「この案件、まだ骨子段階なのですが、方向性にズレがないか5分だけ確認させていただけますか?」
この一言で、上司との認識合わせが完了し、手戻りのリスクがゼロになります。「完璧な資料」より「早い相談」の方が、チーム全体のスピードを上げるのです。
4. メンタルを整え、軽やかに春へ
最後にお伝えしたいのは、皆さんの心身の健康が何よりも優先されるべきだということです。「年度末だから仕方ない」と無理を重ねすぎないでください。
もし、スケジュールに余白が生まれたときは「早く帰る」という選択肢を自分に許してあげてください。4月からはまた新しい体制、新しい環境での戦いが始まります。今のうちに英気を養うことも、立派な仕事の一つです。
まとめ:整理の力で、余裕のある年度末を
2月中旬の今の時期に、「何をして、何をしないか」を自分でコントロールできるようになると、仕事の主導権が自分に戻ってきます。
一つひとつのタスクを丁寧に、でも抱え込まずに処理していきましょう。あなたのデスクがスッキリし、心にゆとりが生まれることで、周囲の同僚や後輩たちにも良い影響が広がっていくはずです。
春はもうすぐそこです。一緒に、笑顔で4月を迎えられる準備を整えていきましょう!
それでは、またね〜。
【人事・法務経験者が解説】12月公務員給与「改定差額」とは?計算シミュレーションと注意点
※こちらの記事は以前私がアメブロに投稿した記事をリライトしたものです。
先日人事院勧告に関する記事を書きました。ついに国会でも給与法が改正されて公務員の給与が引き上げられたことが話題になっているかと思います。
これを受けて各自治体においても「給与が上がる!」となっているかと思います。
この記事では、人事課で労働条件を扱ってきた筆者が、給与の増額改定によって支給される「改定差額」の正体、発生するメカニズム、そして税金・社会保険上の注意点まで、分かりやすく徹底解説します。
ぜひ最後までウキウキしながら読んでみてください!
【この記事を読むとわかること】
- 改定差額が生まれる公務員特有の理由
- 具体的な差額の計算方法と支給時期
- 差額を受け取った際の税金・社会保険の注意点
それでは、早速本題に入っていきましょう。
1. そもそも「改定差額」とは何か?公務員特有の仕組み
1-1. 「遡及適用」が生む時間差
「改定差額」とは、給与改定の実施日(遡及日)から実際の支給日までの間に生じた、新旧給与の差額を指します。
新しい給与が適用されるべき期間(遡及期間)と、実際に新しい給与が支給された日までの間に発生した差額分。
人事院勧告から法律・条例改正を経て実際に支払われるまでに数ヶ月のタイムラグがあること、そもそも人事院勧告はその年の4月の民間給与を調査していることから、4月分の給与から適用するのが適当という考え方から、遡及して支払う仕組みです。
1-2. なぜ12月頃に支給されるのか?
国家公務員でいえば法改正、地方自治体でいえば条例改正の手続きが完了するのが、例年12月になることが多いためです。自治体によって支給時期が異なる場合もありますが、ほとんどの自治体は12月議会に条例の改正案が上程され、可決後速やかに支給という流れが多いと思います。
2. 改定差額はいくら?計算方法と支給時期の目安
2-1. 改定差額の計算は意外とシンプル
基本となる改定差額は、以下の計算式で概算できます。
(新給与 - 旧給与) × 遡及期間(月数)
給料だけでなく、各種手当の差額も合算されて支給されます。
ここで法務を担当していた側面から少し解説します。
厳密にいうと、条例の改正に伴って給料表の額が4月に遡って改定されているわけですから、今年支払われていた給与は”間違っている支給額”となるわけです。なので、本来であれば誤って支給した額を一度全職員から返してもらって、正しい額で計算して支給しなおすというのが正しい流れになります。
しかし、それは物凄く非効率ですし、支給された給与に全く手を付けてない人なんてなかないないわけです。
なので”内払い規定”というものが定められていて、簡単に言うと「今まで払った給与は改定後の給与の一部ってみなします」ということにしています。
この規定があることによって、12月分には上がった分の差額を支給するということになるわけです。
2-2. 試算してみよう!
簡単に試算してみましょう。給料月額が250,000円だったところが4月に遡って255,000円になったと仮定します。
給料が上がれば、これを基礎とする時間外勤務手当(残業代)の単価も当然上がります。単価の上昇分も差額として支給されます。
💡 **残業代の単価上昇分の概算**
単価の上昇分は、概算で以下の計算が成り立ちます。
(新給料255,000円 - 旧給料250,000円)× 1.25(割増率) ÷ 162.75(平均的な月所定労働時間)
つまり、1時間あたり約39円の単価が上昇していることになります。
これも踏まえて計算していくと…
給料月額:5,000円×9か月=45,000円
賞与額 :5,000円×4.6月分=23,000円
賞与額 :255,000円×0.05月分=12,750円(これは賞与の支給月数の引き上げ分です。)
残業代 :39円×180時間=7,020円
合 計:87,770円
3. 一括支給ならではの注意点!税金と社会保険への影響
3-1. 所得税(源泉徴収)は高くなる可能性がある
改定差額は給与として合算され、一時的に所得税の源泉徴収額が増える可能性があります。
ただ、最終的な税額は年末調整で清算されるので、損をすることはないのでご安心ください。
3-2. 社会保険料への影響(随時改定の可能性)
遡及差額の一括支給により、報酬月額が大幅に変動したとみなされ、随時改定(月額変更届)の対象となる可能性があります。ただ、これは本来毎月もらえるはずだった給与が一括して支給されているだけですし、そこまで大きな影響を与える額でもないので、”可能性がある”程度に考えていただいて良いと思います。
※今年は改定額が大きかった人も多いと思いますので要注意です…。
年金機構のページには次のように記載があります。「さかのぼって昇給があり、昇給差額が支給された場合は、差額が支給された月を変動月として、差額を差し引いた3カ月間の報酬の平均額により算出した標準報酬月額と従前の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じる場合、随時改定の対象となります。」
つまり、この給与改定のタイミングが「変動月」と判断されてしまうと、随時改訂の対象となる可能性があるわけです。
4. まとめ:「仕事のために仕事をしない」働き方へ
公務員の「改定差額」は、給与制度特有の時間差によって生じる、間違いなくあなたが働くことで得られた収入です。
この臨時収入を、日頃の頑張りを支えてくれるご家族のために、あるいは資産運用などに投資して、将来の健康や生活の安定のために賢く使ってみてはいかがでしょうか。
それでは、またね〜。

